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『IT イット "それ"が見えたら、終わり。』の感想 。恐怖のピエロに立ち向かう少年少女の物語。

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なゆきです! こちらはホラー映画『IT イット "それ"が見えたら、終わり。』のネタバレ感想記事です。ちなみにこちらR15+の映画ですのでお気を付けくださいませー。

 

 

ノスタルジックな青春ホラー

ジャンル:ホラー、青春、友情、恋愛、成長

 

スティーブン・キング原作のホラー小説『IT』。こちらを映画化した作品で、子供時代と大人時代に分かれているのが特徴です。本作は子供時代にあたり、子供を狙っては殺すピエロ・ペニーワイズとの戦いが描かれていました。
 
内容的には『下水道に潜む殺人ピエロ』というホラー展開をベースにしつつ、子供たちの成長や友情も盛り込まれています。
 
『ピエロ恐怖症』も存在するぐらいなので、ピエロ+ホラーって最強の組み合わせですよね! 私はピエロ、超苦手です! 実際に遭遇した(?)ことはないのですが、やっぱり怖いと思ってしまいます。本来は怖い存在ではないのですが、ホラーなイメージが定着してますよね。
 
一番始めに映像化されたのもチラッと見たことがあるのですが、ピエロが一方的に殺戮を繰り返すホラーだと思っていました。でも実際は子供が自分の問題と向き合い、乗り越える感動要素もある作品です。
 
時代は1988年。田舎町デリーでの出来事です。ある雨の日、ビルの弟が行方不明となるところから物語は始まります。
 
ビルは『ルーザーズクラブ』のリーダーで、ルーザーとは『敗者』『負け犬』という意味です。かなり出番が多いビルが主人公のように見えますが、一応『ルーザーズクラブ』全員が主役なのかな? ピエロに打ち勝てたのは『仲間で力を合わせたこと』だと見てて感じたので、やっぱりみんなが主人公なんだと個人的には思いました。ただ、メンバーが7名と多いため、一部影が薄い子もいるのが残念!
 
個人的に印象に残っているものがあって、それが色彩です。ホラーって暗くなりがちですが、本作には明るさがあるんですよ。例えばジョージーが着ていた黄色のレインコート。ペニーワイズが持っている赤い風船。夏を感じさせる青空。暗さもあるから、余計に色が際立っていたのかもしれないです。
 

ホラー要素は割とマイルド。残酷だと思う場面も少なくて、直接的な描写はぼかしている感じがしました。何か所か見てて痛そうなシーンもありましたが、犠牲者になる人物も映画上では少なめです。私が割とグロイ作品も見るので、それもあるかもしれません(笑)

 

ホラーなのに最終的に強く記憶に残っていたのは、青空の下で笑い合う子供たちでした。不気味さと爽やかさがある不思議な作品です。ホラーのみに絞った内容ではないので、物凄く怖がりたい人には物足りないかもしれません。ただ、普段あんまりホラー観ない方は入りやすい作品だと思います!

 

田舎町を支配するピエロ・ペニーワイズ

本作の敵は、殺人ピエロのペニーワイズ。出現場所が下水道で、サーカスとは正反対の暗いところなんです。

 

そしてビジュアルが超怖い! こんなん、即逃げるレベルですよ。ピエロの恐ろしさって内心何を考えてるか分からないところだと思うのです。化粧では笑顔を作っていても、実際は無表情なのって物凄い怖い。

 

ニコニコして近づいて来て、どうやって食べるか考えてるんでしょ? その裏表の激しさがヤバい! 個人的に一番怖かったのはペニーワイズの高速移動でした(笑)シャカシャカするので笑えもするのですが、追っかけてくるとつい「ギャー!!!」と叫んでしまいます。

 

ピエロだからか、コミカルにも見えるのが面白いところですよね。喋り方や、観客を飽きさせない様々な登場の仕方など、まさにピエロを演じているといった感じでした。そこはさすがや。映画を観たことなくても、「ピエロのキャラクターと言えば?」で上位に来ると思います。それぐらい存在感がある強烈なキャラです。


ペニーワイズは子供を対象としているので、大人にとっては差ほど怖くない存在です。なので、自分が主人公たちと同じぐらいの年齢で観ていたならトラウマ確定だったと思います。ペニーワイズは子供の恐怖心が好物なようで、その子が最も怖れるものに変化して気持ちを煽ります。下水道だけにしか出没しないかと思ったら神出鬼没だし、幻術使いで様々な幻覚を見せてくるやっかいな存在です。

 

この第1章では、ペニーワイズの正体は明かされませんでしたね。子供を食らうのが目的なのでしょうが、子供たちを下水道内で『浮かべて』何してるのか不思議でした。


保存食?


ネットで正体を調べてみたのですが、自分の想像よりはるかに壮大な奴でした(笑) けっこう複雑な経緯があるみたいなので、ここらへんは続編で判明するのかな? 本作では、ベンがデリーの歴史について調べてくれていました。そこで分かったのが、デリーでは昔から事故が多いこと。ペニーワイズが暗躍して事件を起こしていると察することが出来ます。

 

面白いと思ったのが、あんなに怖かったピエロが心持ち一つで弱体化するところです。怖がりさえしなければ脅威でも何でもない。その『怖がらないこと』が一番難しんですけどね。だからピエロも必死になって、あの手この手で怖がらせようとしてたんだもんなぁ。

 

最後、ペニーワイズが消滅する時の発言。

 

ペニーワイズ「これが恐怖」(映画より引用)

 

この台詞は字幕版のもので、吹き替え版だとちょっと違います。これを見る限り、ペニーワイズが始めて恐怖心を知ったように受け取れたんですよね。いつも子供を怖がらせていたペニーワイズでしたが、完全に立場が逆転してます。十八番が通用しなくなって、めっちゃ焦っただろうな。恐怖を乗り越えた子供たちにとって、ペニーワイズは怖い存在ではありません。この戦闘シーンはグッと来ましたね。

 

ある意味、ペニーワイズがトラウマと向き合わせてくれたんじゃ? 精神的にたくましくなった子供たちを見ると、ペニーワイズ的には逆効果でしたね。 

 

ちなみにペニーワイズを演じているのは、海外ドラマ『ヘムロック・グローブ』に出演していたビル・スカルスガルドさん。一話だけですがドラマを観たことがあったので、びっくりしました。めちゃくちゃイケメンな方なので意外すぎる。自分の中でこれからも注目していきたい俳優さんの一人になりました!

ホラーだけど笑えるところもありっ!

ホラーがメインですが、子供たちの友情や苦悩なども描かれている本作。実は笑える要素もあるんですよね。ちょっと笑ってしまったシーンについて紹介します。


・マイクをいじめっ子から助けるために石で撃退するシーン

いじめっ子も負けるかって感じで石を投げ返してくるのですが、もう石合戦状態。理不尽ないじめっ子って色んな作品に出てくると思うんですけど本当に腹立つんですよ。なので「やってやれー!!」ってついついこっちも盛り上がってしまいます。完全に数の暴力で勝利していました(笑) いじめっこヘンリーの呆けた顔も印象的。

 

・最後のペニーワイズ戦
先ほども話に出した、みんなで協力してペニーワイズを倒す場面です。今まで酷いことをされた分お返しするスカッとするシーンでもあるのですが、これも完全に数の暴力でしたね。


集団でボコボコにされてるペニーワイズが哀れ(笑) RPGのボス戦ってこんな感じなのかもと思うと、ボスって可哀想。

 

ペニーワイズが、ベバリーのお父さんになった時は笑ってしまった。怖がらせようとしたのか、ヤケだったのか。ベバリーは乗り越えてるのだから、怖がるはずないです。むしろ攻撃してと言ってるようなものですよね。

 

・リッチー関連 

リッチーがビンを武器にしようとして割る場面も好きです。ギザギザした部分を使おうと思ったんだろうけど、ほとんど砕けてしまったり(笑) ビルが一生懸命に仲間を説得した後のリッチーの台詞も面白かったですね。

 

リッチー「つっかえないで喋った」(映画より引用)

 

ホラーの中にコミカルさを忘れないところが素晴らしいです!

主役の子供たちが可愛すぎるっ!

それぞれ悩みを抱える少年少女たち。個人的に好きなのはベバリー、ベン、リッチーです。印象に残ったキャラの感想について書きます。

 

・ベバリー(ソフィア・リリス)
紅一点のベバリーは、若いのに色っぽさもある女の子でした。大人っぽさと少女っぽさを併せ持ってて、なかなかこういう雰囲気の女子っていないんじゃないかなー。『ルーザーズクラブ』の中でも特に勇敢な子で、危険だと分かっていても立ち向かえる強さを持っています。男子を差しおいて真っ先に高所から湖に飛び込むシーンは、ベバリーの勇敢さが出ていますよね。


それに二人の男の子から好意を抱かれるというモテっぷりです(笑) ぽっちゃり系のベンとのシーンは、どれも微笑ましくてお気に入りですね。ビル派な人すみません。

 

いじめられっ子なのが凄い不思議。性格悪そうな女子にも負けずに言い返してましたし、気が弱いタイプではないです。異性にモテる子だと思うから、嫉妬されて同性から嫌われてたのかな。

 

・ベン(ジェレミー・レイ・テイラー)
可愛いのですよ、ベン。応援したくなるのは断然ベンです! ベバリーとの出会いのシーンは微笑ましい。ベバリーがまっさらなページに名前を書いてくれるのですが、あれは惚れてまうわ。

 

気弱な男の子ですが、27年周期で事件が起きていることに気づいたりして、メンバーに知恵を授けていますよね。いつもお腹を怪我してるのは何故なのか。素敵な詩を密かにプレゼントしたり、すかさずベバリーの髪を褒めたり、意外と恋愛には積極的な子でしたね。

 

ベバリーの意識を取り戻させたのはベンなんですよ。ベバリーが浮かんでいるのを最初に発見したビルは、ジョージーを追いかけてました。でも結局ベバリーが選んだのはビルなのかな。ベンもビルも、ベバリーにキスをしていますが返されたのはビルだけ。でも、明確な発言はされていません。

 

エピローグのビルとベバリーが会話するシーンで、遠ざかるベンの小さな背中が映っていて切なかった。

 

・リッチー(フィン・ヴォルフハルト)
お喋りな眼鏡男子。下ネタが多いのが玉にきずですが、メンバーの中で特に明るい子で、発言が面白くて大好きです。

 

リッチー「ルーザーズ・クラブへようこそ!」(映画より引用)

 
どこかで見たことあるなーと思っていたら、NETFLIXオリジナルドラマ『ストレンジャーシングス 未知の世界』に出演していた子ですよね。


大好きなドラマなのでテンション上がりました! ストレンジャーシングスも似た世界観のお話でして、めちゃくちゃおすすめです。  

 

個人的に怖かった二つのシーン

私が怖かったシーンは二つあります。


・ジョージーが下水道にいるペニーワイズと話すシーン

「お願いだから早く離れろや!」と思いながら見てました。今にも何か起りそうなシーンって本当に気が気じゃない!

 

ペニーワイズが楽しげに喋ってる途中で急に怖くなるんですよね。ここでジョージーが「こいつヤバい奴や」と悟ったらしく帰ろうとするんですよ。そそのかされて腕を伸ばしちゃうのですが、それだけビルが作ってくれた舟を取り戻したかったってことだよなぁ。その前に怖い地下に降りてくシーンがあるし、勇気のある子なんでしょうね。

 

最初に出てくる人って大体犠牲になりますよね~。もうそのためだけに存在するような感じです。それが分かってたから余計に怖かった! 子供や動物がやられるシーンは本当に心が痛い。そういえば、ペニーワイズとまともに会話してたのジョージーだけでしたね。

 

・ビルが自宅の地下で偽物ジョージーと会うシーン

ジョージーに妙な迫力があって「ふわふわ浮かぶ」って連呼してて怖かったです。水の中からヌッとペニーワイズが出て来て、例の高速移動もしてくる嫌なシーンでした。水場なのも怖い。


どちらもジョージー関連のエピソードです。物語全体を通していなくなったジョージーを思うビルが描かれています。冒頭で抱き合う兄弟二人は、本当に仲が良かったんでしょうね。ジョージーが最後に叫んでいた名もビルでした。

 

ビルが最後に見たジョージーは、雨の中で手を振る姿だと思うと切ない。ジョージーには生還して欲しかった。

 

友達っていいなぁって思える映画

ペニーワイズと戦おうとするビルと危険だから止めようと言う男子メンバー。その時に喧嘩になってしまい、みんなバラバラになってしまうんですよね。でもベバリーがさらわれたと知ると集結してくれる。この時にエディが「自分を守ってくれるのは友達だ」と、母に言い返すシーンはスゴイ良かった。お互いを大切に思ってるのが分かります。

 

ホラーの登場人物って考えなしに危険に飛び込む人物がいるのですが、本作ではビルがそれにあたります。弟を思う気持ちは理解できるのですが、友達がすっごい巻き込まれるのですよ。あの大人しいスタンリーも本気でキレてて「そりゃそうだよな」と思いました(笑)


ジョージーのことで頭がいっぱいなビルは、勇敢というより無謀に感じます。でも何だかんだでみんなビルに付き合ってくれるんですよ。


ビルがジョージーのレインコートを見つけて涙を流すシーン。みんなでビルを包み込むように抱きしめていてじんわりしました。文句を言いつつ、やっぱり友達なんですよね。このシーンは大好きです。ビルのジョージーへの気持ち。みんなのビルを思う気持ちが感じられます。

不気味な大人たち

本作では主人公たちの家族も登場します。でも、ほぼ良い親は出て来ません。映画を観た後に感想記事を漁っていたのですが、大人たちはペニーワイズに洗脳されてるかもという考察がけっこう見つかりました。


全くもって気づかなかった私は再度映画を確認しました。確かにテレビには同じ番組が映っている!! これに気づいた人マジですごいっ! 確かに改めて振り返ってみると、大人は子供に無関心だったかも。


ベンがいじめられてる時に車が通るのですが、素通りするだけだったので「助けろや」としか思ってなかったのですが考えてみたら変ですよね! そういうことだったんだ!! 

『IT イット "それ"が見えたら、終わり。』の配信情報

 

公開は2017年。時間は135分です。 

 

・見放題の配信情報

【Hulu】✖

【NETFLIX】〇(字幕版・吹き替え版あり)

【Amazonプライム】△(見放題はなし)

(※2018年11月4日確認)