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ほろ苦くも心に残るストーリー『CHAOS;CHILD』のネタバレ感想【拓留と世莉架】

 

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※記事内の画像は全てゲーム内のスクリーンショットです

 

  

なゆきでございます!


こちらはCHAOS;CHILDのトゥルーエンド含めたネタバレ感想記事です。


キャラクターなどの紹介は省いて、


『メインルート』『個別ルート(ヒロイン4名分)』『トゥルールート』


全てプレイして個人的に感じたことを書いています。

 

なのでネタバレ多めです。

 

全てではないですが、感想に必要な部分だと思ったことに関しては書いてます。

 

これからプレイ予定の方や、ネタバレが気になる方はお気を付けくださいね!!


そして自分なりの考えをまとめていますので、


合わない方もいると思いますがこういう考えもあるんだなぐらいに思ってもらえれば幸いです。


それでは、行きます!

 

 

 

 

1.『CHAOS;CHILD』のここが好き

 

1.万人受けはしないけど、心に残るものは確かにある!

 

ホラー要素強めな演出、残酷な殺人事件、ほぼシリアス一辺倒なストーリー、賛否が分かれる設定や結末。


かなり人を選ぶ内容ですよねー。


徹底的に厳しさを貫いた作品です。


ゲームの魅力の一つは、一つの作品で様々な展開や結末を楽しめることだと個人的には思うのですよ。


だから、みんなが望むようなハッピーエンドを組み込もうとしたら出来たのに

 

あえてほろ苦いエンドにしたのはすごく勇気がいることだと思いました。

 

個人的な感想としては、また一つ心に残る作品に出会えたことが嬉しいです!

 

元々何に期待して買ったかというと、ミステリー要素やホラー要素でした。

 

張り巡らされた伏線の回収や、謎とその種明かし。

 

そこらへんに期待してたんですよね。

 

ストーリー自体の評判の良さもありましたが、人間ドラマは二の次だったんです。

 

ですが気づいた時には彼らの個々のエピソードが気になっていて、

 

ものすごく感情移入してる自分がいました。

 

これ以上進めたくない! でも見たい!と思ったのは久しぶりです(笑)

 

 妄想をテーマとしたSF設定自体面白いですし、

 

事件を追いかけるのも探偵チックで良い。

 

メインルート→ヒロインルート→トゥルールートの、

 

三段階に分けて謎が解明される仕組みも素晴らしいし、

 

最後には主人公の成長を感じられて感慨深いものがあります。

 

自分で人を選ぶと書いておきながら、

 

たくさんの方にプレイして欲しい作品です。

 

内容はヘビーですが、良いところもたくさんあるのですよ。

 

 

 

2.『嘘』と『真実』の物語


本作では嘘と真実がテーマのようで、


物語の至る所に嘘が散りばめられています。


例えば思いつくのがですねー。


・有村雛絵の能力は、人の発言が嘘か本当か見抜くこと。


・限定版パッケージでディソードを持っている久野里澪は、初見では能力者に思えるけど実際は違う。


・メインルートにて来栖乃々がディソードを発現させるが、限定版パッケージで持ってるのと形状が違う(と思う)。


・来栖乃々は主人公に「家族だから隠し事はなし」と言いながら、作中で嘘をついたり隠し事をしている。


まだまだあるのですが、こんな感じですかねー。


主人公が事件の真相に至るよくあるタイプのお話ではあるんですが、知るほどに打ちのめされていきます。


拓留が知りたがる性格なため、安易な好奇心により事件に首を突っ込んでいくのですが、


それがこの結果なんですよね。


秘密が隠されている作品は知りたくなるものだし、割とどの作品も真実を探るように作られていますよね。


なので、『事件の犯人は?』『動機は?』『犯行方法は?』と気になっていくのが自然な流れだと思うのですが、


プレイヤーが好奇心を満たすほどに、絶望感が増す作品なんですよね。


なんちゅー作りだ(笑)


主人公とプレイヤーの『事件を追いかけたい』『真実を知りたい』という気持ちとシンクロしています。


主人公から事件に近づくことによって周囲が事件に巻き込まれているように見えるので、


大変苦い気持ちにさせられます。


好奇心は身を滅ぼすよという教訓かな?


プレイヤーにとっても、主人公にとっても、各ヒロインにとっても優しい世界ではありません。


容赦ない作品ですが、テーマや設定も作り込まれていて、練られたお話なのは間違いないです!

 

 

 

 

3.主人公の成長は何回見ても良い!!

 

拓留で思い出すのが、色んな意味でピンチになると心の中で世莉架に頼ってるんですよね。


「尾上助けて」って。


世莉架に寄りかかって生きてきたのが分かります。


そして世莉架もおバカな女の子として振る舞っていて、


拓留が知識を披露すると「よく知ってるね」と感心してくれるんですよ。


そして拓留も優越感に浸れます。


物語の中で拓留が世莉架の面倒をみてる場面がありますが、


実際に精神的に守られてたのは拓留の方です。


世莉架を解放して全ての罪を引き受けた拓留は、


今まで助けてくれていた世莉架を守ることができたんですよね。


そして解放するということは、世莉架からの自立でもあると思うんです。


もう特別扱いして優越感を満たしてくれる存在はいません。


この話は渋谷を巻き込んだ拓留の成長物語でもあると思います。


世莉架を改変した拓留。


彼のどこか歪んだ願望により生まれ、自分のために汚れてきた彼女へ、幸せになって欲しいと願いを込めたんだろうなー。


世莉架の行いは彼の中では自分がやったも同然で、


彼がこれから普通を取り戻そうとするには人が死に過ぎました。


自分ではもう得ることが出来ない『普通であることの幸せ』を彼女に託したんだと思います。


拓留にとって、世莉架は自分の一部みたいなもので、


そんな彼女が自分を喜ばせるために、人を殺して来てしまった。


自分のせいで、世莉架に過ちを犯させてしまったと感じたんじゃないでしょうか。


そして今まで自分のために生きてきた彼女を自分から解放したかったんじゃないかな。


拓留は力を手放してるけど、なんとかすれば取り戻せそうな感じなんですよね。


でも、取り戻せば世莉架にも影響でそうだから、このまま力がない方が良いよなー。

 

 

 

4.拓留の執着

 

別記事にて拓留の願望がピンと来ないと書きました。


でもちょっと考えてみたのです。


割とあるかもーって。


拓留の事件への執着自体は異常だと思います。


学校休んで現場を張り込んだり、事件が起きてるであろう場所に侵入とか。


高校生がいくら事件に興味があっても、躊躇するだろって思います。


実際残酷な事件が好きな伊藤でさえ、ためらってましたからね。


でも、幼い頃の拓留には味方がひとりもいないのですよ。


本来は子供にとって一番の味方であるはずの両親が関心を持ってくれず、


回想を見る限り拓留は学校でも上手くいってなかったようです。


何の苦労も知らずに馬鹿にしてくるクラスメイトに対して、


拓留は「こいつらと自分は違うんだ」って思ってました。


見下してくる相手を見返してやりたいとも言ってましたね。

 

自分は特別だって思いたいのかな。


自分を特別だと思うのって、割と誰でもあることですよね。


拓留の場合は、誰よりも正確な情報を持っていることがアイデンティティーだったのかなと思いました。


そして、自分よりも下の人間だと思いたかったクラスメイトが、


懸命に救助をしている姿をみて言い知れない敗北感を持ってしまったのかな。


自分は何でもない人間だと認めてしまえば、


見下したかった人間と自分は何も変わらないことも認めてしまう。


自分は価値がない人間に思えて、それがどうしても出来なかったのかなと思います。


大体の子たちが親の愛を受けて生きてる中、


親に愛されずに育ってきた拓留にとっては物凄い劣等感だったのかも。


どうして自分だけがと思ってしまいますよね。


苦しい環境で生きる自分は特別な人間だからで、


そんな自分は価値があるんだって思いたかったのかなー。


そう考えると一身に愛情を捧げる世莉架は拓留にとって、


親の代わりに愛情を注いでくれる存在でもあったのだと思います。

 

 

 

5.クールビューティーな久野里さん

 

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最初に言います。


こんなにも魅力的な女性だけど、久野里さん専用のルートは存在しませんでした。


残念なことに攻略キャラではないのです。


私は久野里さんに関するネタバレは知ってからプレイしたのでダメージはないですが、


久野里さん目当ての方は気を付けた方が良いかなと思います。


ただ、重要な立ち位置にいますので出番は多いです。


性格的にはかなり辛辣な女性ですね。


けっこう人格を疑うような発言も多々ありますが、有能なのは確かです。


主人公に割と身近にいる香月より、


接点はあまりないけど事件に近い位置にいる久野里さんの方が活躍してくれますね。


口が悪いですが、けっこう好きなキャラクターです。


主人公に知識を授け、憎まれ役を担ってくれてる気がします。

 

そして最後らへんまで頑張れば、優しい久野里さんにも会えますよ。

 

 

 

6.素晴らしきヒロイン、尾上世莉架

 

こんなに心を揺さぶるヒロインはなかなかいないです!


設定や作中での活躍が特殊すぎて、賛否が分かれそうなキャラクターでもあります。


世莉架が一番好きな方は、本当複雑な心境なんじゃないでしょうか。


私は全てを知った上でも、世莉架が嫌いになれなかったですね。


彼女の行いは認められるものではないのですが、それでも好きだ!!


物語の中で登場人物たちを苦しめていたある能力。


その能力はある意味、人に役割を強制させる力に見えたのですが、


まさに世莉架が強制されているキャラクターに思えました。


世莉架は本望だろうけど、自分の幸せを拓留から切れ離せない。


せっかく生まれてきたけど、拓留ありきの人生なんですよね。


世莉架が彼女自身の人生を生きるためには、


彼女の存在理由を根こそぎ変えるしかなかったのかなーと思いました。

 

 

 

7. silent wind bell


トゥルーエンドで聴けるエンディング曲なのですが、すっごい良い曲!!


歌詞がもろにネタバレになってます。


作中より拓留の心情語ってね?と思えるぐらい、歌詞が拓留目線です。


世莉架への気持ちが込められていると思います。


作品抜きにしても、良い曲なので是非聴いていただきたい。


聴いているだけで心が洗われるような感じ。


即ダウンロードして聴きながらこの記事も書きました(笑)

 

 

 

8.拓留と世莉架


カオスチャイルドって、拓留と世莉架の物語なんだなーと改めて感じました。


この二人はよく似ています。


拓留が世莉架を改変しようとした時、


普通にはなりたくないと世莉架は怯えていました。


それが自分を特別なんだと思っていた拓留と被って見えたんですよ。


拓留が生み出した他者だけど、やっぱりベースは拓留なんだと思いました。


拓留は世莉架で、世莉架は拓留。


拓留が世莉架を突き放すのは、愛だって分かります。


はっきり言って、拓留が世莉架を好きだと発言した時は、


嬉しかったけどそんな描写あったっけ?って思いました。


そこらへんはもっと描写があっても良かったかなー。


二人は一緒にいたら駄目になると拓留は言っていましたが、


理由には触れてなかったような気がします。


拓留はまた世莉架に頼っちゃうし、世莉架も拓留のために間違っちゃうからって意味なんでしょうか。


それとも、記憶を取り戻してしまう可能性があるから?


『普通の女の子』の世莉架には、出自や過去の記憶は耐えられないかも。


何が起こるかは分からないですよね。


最後の場面は、胸が締め付けられました。


二人の道は決して交わることはないけれど、お互いを思って別々の道を歩んでいく。


だから、涙しながら「知らない人」と言ったのは、

 

拓留の世莉架への幸せに生きて欲しいという思いを受けて決別する道を選んだからだと思います!!

 

最後の最後。

 

拓留の台詞が二人は離れても心は共にあるんだと思わせてくれました。

 

 

「―—僕たちはこうして、一緒に生きていくんだ」(拓留の台詞/ゲームより引用)

 

 

 

2.『CHAOS;CHILD』のここが残念

 

1.ヒロイン可愛いけどギャルゲー要素はほぼなし!!


ぱっと見ただけならサスペンス要素のあるギャルゲーという印象を受ける本作。


可愛い絵柄、女子率の高さ、学園もの。


ここら辺のイメージはまさにギャルゲーって感じですよね。


でも実際プレイしてみるとサスペンスがメインで、ギャルゲー部分がおまけなんです(笑)


ヒロインたちとの楽しいイベントが少ない上に、


数少ない楽しいイベントはほとんどが主人公の妄想という悲しい仕様です。


作中で恋愛感情が明確に示されていて、気持ちが通じ合っていたのは一人だけでした。


その通じ合ったエンディングもハッピーな終わり方ではないです。


恋愛要素が薄い作品は珍しくないと思うのですが、ここまでハードな展開はそうそうないと思います。


たぶん。内容を知らずにギャルゲーだと思って買った方は「なんか思ってたのと違うっ!」となったのではないでしょうか。


自分は登場人物に深く感情移入するタイプでして、覚悟はしていたつもりですが何回も落ち込みました(笑)


ヒロインとのイチャイチャを期待すると辛い作品ですね。


限りなくギャルゲー要素は薄いですが、やっぱり根っこの部分はギャルゲーだと思いました。


恋愛要素は薄くてもヒロイン達との絆や繋がりが根底にあるように思えたからです。


甘々な展開は皆無なので、ビターな味わいもイケるって方なら合ってる作品だと思います。

 

2.全てのキャラが救われるわけではない


何よりも主人公に救いがないです。


主人公が最後に犠牲になる話はたくさんあると思います。


希望を持たせる終わりではあったけど、もやもやは残ります。


自分の中で『主人公はどの登場人物よりも頑張るべし』って言うのがあるのですが、


それって最後には報われるからこそなんですよ。


物語中盤までは事件を追いかけてるだけなのですが、


後半は精神的ダメージと社会的ダメージをかなり受けて、


そこから巻き返すことはありません。


かなりきつい運命にある主人公で、プレイヤー的には報われてるようには見えないんじゃないでしょうか。


でも拓留自身は全く後悔していなくて、むしろ清々しいぐらいです。


拓留は自分を犠牲にすることで世莉架を守れたので満足なんだろうな。


とてもハッピーエンドとは言えないけど、主人公は納得しているというのは珍しいかもしれないです。


ちなみに主人公と一部のキャラ以外はハッピーな結末を迎えてます。


様々な苦悩があったけど、未来への展望がある終わり方でした。

 

 

 

3.『CHAOS;CHILD』の感想まとめ

 

痛みが伴ったけど、自分的には作品の楽しみ方が広がったなー。


ビターな作品を楽しめてる自分も発見できました。

 

自分に合うかどうかは分からないけど、

 

とりあえずやってみると意外とハマったりするんですよねー。

 

いつかお金に余裕が出来たら、

 

設定資料や後日談小説、ファンディスクの『CHAOS;CHILD らぶchu☆chu!!』にも手を出したいです(笑)

 

ここまでお付き合いくださり、ありがとうございます!!

 

 

なゆき

 

 

 

ネタバレなしのゲーム紹介はこちら。 

 

www.nayuki-story.com

 


プレイ記はこちらです。 

 

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