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『第9地区』のネタバレ感想。とても分かりやすい内容のSF映画!

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なゆきでございます! こちらは『第9地区』の感想記事です。※ネタバレあり。こちらの映画はPG-12指定となっておりますので、お気を付けくださいませ。

 

 

主人公の味方はエイリアン!

ジャンル:SF、アクション


エイリアンが登場するタイプのSF映画です。本作では、エイリアンが地球に迷い込んだ難民として描かれています。映画などの影響で『人間を一方的に殺戮する恐ろしい生命体』としての印象が強いですが、本作に限ってはエイリアンの方に感情移入してしまうかもしれません。

 

なんてったってエイリアンのメインキャラが超良い奴なんですよ!! 主人公・ヴィカスの味方が人間ではなく、エイリアンというのが本作の面白いところです。主人公は人間なのですが、立ち位置がとても特殊であります。


ちなみにこちらの作品。第82回アカデミー賞で、作品賞、脚色賞、編集賞、視覚効果賞にノミネートされました。日本でも2011年にメディア部門で星雲賞(スゴイSF作品に贈られる賞)を受賞している作品です!


最初はどんな話か知らずに観たのですが、何故もっと早く観なかったのかと後悔しました(笑) 随所に登場人物のインタビューのようなやりとりが入る『ドキュメンタリー風な作品』でもありますね。

SF作品って小難しい印象があるのですが、本作は非常に分かりやすいです! 


基本的に逃亡劇がメインとなっています。ハラハラする展開が続きますので、主人公が一体どうなってしまうのか、気になって最後まで一気に観れてしまうんですよ!


ロボットでのド派手なアクションもあれば、切ないシーンもあって、流れるように話が進みます。タイトルからどんな作品かイメージしづらいですが、興味がある方は是非観てみてくださいな!

 

ちょっとグロいところもあるので、そこらへんは気を付けた方が良いかもしれないですね。 

 

踏んだり蹴ったりな主人公に同情する

主人公も最初はエイリアンに対して全く情はありませんでした。しかし物語の途中で変な液体を浴びてしまったことにより、身体がエイリアンへと変異していきます。

 

この出来事により人間側に実験体として狙われ、エイリアン側の立場へと変わるんですよね。

 

徐々に自分の身体が変わっていく絶望感。同じ人間に見捨てられた孤独感。それがこれでもかと描かれています。

 

きっかけは主人公の不注意です。最初は腕から始まり、どんどんエイリアン化するヴィカス。自分の姿が変貌していくだけでも怖いし、今まで仲間だと思ってきた人間に追われるのも怖い。


必死に元の人間に戻ろうと暴走するのが見てられないです。このお話は主人公が迫害される側の立場に変わることで、今まで表面化してなかった問題が浮き彫りになり、主人公の価値観にも変化が表れるのですよね。


エイリアンが酷い実験を受けている事を知る場面が、まさにそうです。エイリアンに対して良い感情がなかったヴィカスでさえ、この事実には驚いていました。彼が変異しなければ、知ることは出来なかったでしょうね。

 

それにしても今まで親交があった人物に、簡単に苦痛を与えられるのが理解できん。ヴィカスが訴えかけてるのに無視して、実験を繰り返すモブたちに腹が立ちました。本当に最低。


実験場のエピソードはめちゃくちゃ腹が立ちます。特にクズだったのが、嫁の父親です。嘘の情報を流してまで、捕まえようとするのが下衆すぎる。つまり自分が同じ立場にならないと、人の痛みは理解できないってことだね。


ヴィカスは自分のこと最優先ですが、根は悪い人ではないです。自分勝手にも見えるけど、自分が同じ状況だったらと思うと否定は出来ません。

 

元に戻りたくて暴走してたけど、最後は自己犠牲を発揮してクリストファー達を助けてくれました。本当に嫌な奴なら、クリストファーを助けるために戻ったりはしないですよね。宇宙船を死守したのはよくやったよ!


飛び立つ宇宙船を見送るときの表情が何とも言えない。色んな気持ちが混ざったような表情。色んな作品でよく表情を観察してるのですが、これは本当に心に残りました。

エイリアンの親子が好きすぎる

エイリアンの中でも頭が良く、子供に対する愛情も人間のそれと変わらないクリストファージョンソン。彼がヴィカスの味方キャラです。実験体にされてきた仲間を見て呆然とする彼に、感情移入しないとか無理。


そして息子もお利口さんで良い子なんですよ。よく見るとなんか顔も可愛く思えてきました。


本作のエイリアンは敵ではなく、迷い込んで地球にやってきてしまった弱者なのです。某映画のような圧倒的な強さと凶悪さはなく、自由奔放だけど彼らなりの生活があるんだと思いました。


元の星に帰りたいと思うのも分かります。武器や宇宙船を見ると、人間よりも遥かに文明が進んでるような感じがしますね。


クリストファーは良心的で、優しい性格ですし。ヴィカスが絶体絶命の時に、他のエイリアンが助けてくれるので、けっこう仲間意識が強い種族なのかもしれませんね。


確信したのはクリストファーは絶対に約束を守るやつだね、きっと!

 

ヴィカスを治せる技術があるらしく、必ず3年で戻ると約束して地球を旅立ったクリストファー。最後にクリストファーを助けたヴィカスに、絶対恩を返しに来てくれるはずです! 私はそう信じることにしました!! 

人間の方が怖い

エイリアンへと変異するヴィカスを見て「金になる!」と考える人間や、「俺もそうなりてー!」と食べようとする人間も出てきます。

 

人間、めっちゃ怖いな!!?


ヴィカスの左腕が変形して治療方法を探るのかと思えば、速攻で実験場に連れてかれますし。本当に冷酷で無慈悲なのですが、それをやってるのが人間だってのが否定できない部分です。金になるかもと考える当たり、人間らしい(笑) ただ食べる発想に行くとは思いませんでしたねー。


そういう一部の人間は置いといて、普通の一般の人からしたら、いきなりやってきた未知の生命体は怖いだろうな。


常に大きな宇宙船が空にあるわけですし、遠ざけたいと思う気持ちも分かります。人間側からしたら、逃げ出したヴィカスは脅威の存在で一刻も早く捕まえなくてはならないって感じかな。それでも、エイリアン側の味方ですけどね(笑)


人間の中でも、フンディスワは良かったです! ヴィカスやフンディスワのおかげで、エイリアンへの実験を暴露できたっぽいですし。これは最後に分かる事実なのですが、人間側にもヴィカスを信じてくれた人物がいて泣きそうになりました。


自分自身が犠牲になってしまったけど、ヴィカスの出来事がきっかけでエイリアンへの扱いが少しは変わったと思いたいです。 

ラストシーンが秀逸

ヴィカスの目的が『元の姿に戻ること』なら、第9地区はバッドエンドだと思います。ほとんどの体がエイリアン化したヴィカスが最後にどうなったか物語の中では語られません。


しかし、ヴィカスの奥さんが「彼は手作りしたものをよくプレゼントしてくれた」と教えてくれるシーンがあります。


最後の場面で一人のエイリアンがガラクタで花を作っているのですが、「これがヴィカスなんだ」と自然と思わせてくれるのです。


あんな姿を見せられたら込み上げてくるものがあります。クリストファーの帰りを待ってるんだと思うと切なすぎる! ヴィカスが年月で完全に心もエイリアンにならないか心配になります。


私は希望がある解釈を好むので、きっとクリストファーは帰って来て、元に戻れはずです!

 

本作で思い入れがあるのが、『宇宙船を見送るヴィカス』『ガラクタで花を作るエイリアン』の二つなんですよ。SFアクションや逃亡劇という内容から娯楽性が強い作品を想像しますが、切なさが残る終わり方なんですよねー。

 

主人公の目的は達成されないけど、希望が全くないわけではない。だからこそ、強く印象に残るラストシーンになったんだろうな。

 

元に戻るか戻らないかは、すっごく気になるところでした。主人公が最後まで生き残るかすらも怪しかったですからねー! 他のエイリアンが助けに来てくれた時は「ありがとう!」とつい思ってしまいました(笑) 敵の軍人さんはけっこう可哀想な死に方をしてましたけどね。 


少し思ったのは、クリストファーが仲間を引き連れて戻ってきた場合、人間とエイリアンの戦いになったりしないかな? 仲間を助けに大群で来たとしたら、人間側は「やばい報復にキタ!」って言って攻撃しませんかね? でもインタビューみると理解があるっぽい人もいるからなー。


平和的な解決が望ましいですよね。 

『第9地区』の配信情報

良い意味で予想外な映画でした。切なくなる作品って大好きなんですよ。最初から最後まで楽しめる作品ですが、特にラストが良い! 登場人物も少なくシンプルな内容ですので、話に入り込みやすいのもポイントです。

 

2009年(日本では2010年)。時間は111分です。

 

・見放題の配信情報について

【Hulu】〇(字幕版・吹き替え版あり)

【NETFLIX】✖

【Amazonプライム】〇(字幕版・吹き替え版あり)

(※2018年11月4日確認)